こんにちは、ハシヒロコです。
ドロップシッピング最大手の「もしもドロップシッピング」が2020年4月にいよいよ終了するそうです。
初期投資も不要でリスクなし、誰でも立派なネットショップができてしまうという、初心者には夢のようなビジネスモデルだった、もしもドロップシッピング。
一時は主婦やシニア層が年商数百万以上も稼いでいる副業として、テレビなどのメディアで話題になったりしていました。
ところが、その副業そのものが無くなってしまうとは。
とんでもないリスクが隠れていたものです。
政府が働き方改革の一環として副業を推進している中、うってつけのビジネスだと思うのですが、なぜ終了することになったのでしょうか。
そして継続するほかの2つのサービスを副業とするなら、リスクはどの程度なのでしょうか。
リスクのない副業のリスクについて、考えてみました。
目次
ドロップシッピングとは
「drop-ship」は産地や製造元から直送するという意味で、ネットショップで購入した商品が、ショップを通さず卸業者から直接購入者へ発送されるサービスのことを指します。
もしもドロップシッピングWebサイトより
もしもドロップシッピングは(株)もしもが運営するドロップシッピング事業で、2006年に個人向けとしては日本で初めてスタートしました。
その後のブームでは十数社のドロップシッピング事業者が参入していましたが、悪徳商法や詐欺事件で逮捕者が出るなどしたことで人気も下火になり、事業者も減っていきました。
メリットは
通常のネットショップ運営には以下の作業が不可欠ですね。
- ネットショップの立ち上げ
- 仕入れ先を探して仕入れる
- ショップサイトに商品を登録
- 商品の注文受付、発送、代金決済
- 返品やクレーム対応
ショップオーナーはこれら1~5までの作業すべてを自分でする必要があります。
もしもドロップシッピングWebサイトより
もしもドロップシッピングの場合、1と3以外の作業は運営会社側がすべて受け持ってくれています。
ショップオーナーがすることは、
- 会員サイトでネットショップのテンプレートを選ぶ
- 商品を登録し、ショップを公開する
- 必要に応じて集客する
これだけです。
もしもドロップシッピングWebサイトより
デメリットは
メリットしかないように思えますが、そうは問屋が卸さない。
デメリットもやっぱりあります。
- 在庫切れのリスクがある
卸業者はドロップシッピング以外の販売業者にも卸していますので、売上に貢献するはずの人気商品ほど、品切れで仕入れられなくなるリスクがあります。
- 価格面での差別化がむずかしい
事業者が同じなので、他の会員のネットショップと同じ条件で仕入れ・販売することになるため、横並びの価格設定になりがちです。
また販売価格の下限がきまっているため、通常のネットショップならできるような大幅な値下げはできないことになっています。
- 集客面で非常に不利
商品を売るには買い手となるお客さんが必要ですが、規約で楽天やヤフーショッピングなどのショッピングモールに出店できないことになっています。
大手ショッピングモールの集客力を利用することができない分、オーナー自身で有料広告やSEO対策などの手配をする必要があります。
実際にやってみて思うこと
実は私も、ずいぶん前のことですが、もしもドロップシッピングの会員だったことがあります。
用意されているツールでネットショップを作り、季節的にハロウィン関連の商品がおススメとして挙げられていたので、ハロウィン・コスプレの店にしてみたのです。
マニュアルを見ながら商品も何点か登録してみたのですが、結局そのショップは公開までに至りませんでした。
選んではみたものの、もともとハロウィンにもコスプレにも興味がなかったため、商品選びや更新作業に熱が入らず、モチベーションが続かなかったのです。
そのうちにハロウィンも終わってしまい、ハロウィンの「次」を全く意識していなかった私は完全にやる気を失くし、公開すらしなかったショップは放置されたままで終わりました。
もし自力で一からネットショップを立ち上げるなら、こんな適当なことは絶対にしなかったと思います。
ここまでの過程にかかる費用も天秤にかけて、どんなショップで何を売るのかを真剣に考えたでしょう。
もしもドロップシッピングでは、自分の懐を痛めるリスクがない分、真剣な商売としてとらえず、ショップも放置というより、事実上放棄しました。
それでも商品の在庫や入荷を知らせるメールは届き続けていましたから、アカウントがある以上、ショップデータや事務管理に費用がかかっていたのでしょう。
(株)もしもは、この費用を利用者に代わって負担していたということですね。
私のような幽霊会員の数だけ、費用がかさんだことでしょう。
終了するもしもドロップシッピングと、生き残る2つのサービス
ところで、㈱もしもには、もしもドロップシッピングのほかにも、2つのサービスがあります。
- 2010年スタートの「もしもアフィリエイト」
- 2014年スタートの「TopSeller」
この2つです。
もしもアフィリエイとは
アフィリエイトとは成果報酬型の広告のことを言います。
ドロップシッピングはネットショップで商品そのものを販売しますが、アフィリエイトはブログやホームページやSNSで商品やサービスを宣伝します。
宣伝したWebサイトやSNSから商品やサービスが購入されると、報酬が得られる仕組みです。
TopSellerとは
TopSellerもドロップシッピングですが、もしもドロップシッピングとは違って、こちらはあくまでも卸業者です
商品の梱包・配送のみを受け持っており、サービス利用には料金がかかります。
梱包・配送以外の作業はすべてショップ側がしなくてはいけませんが、ショッピングモールへの出店もできます。
TopSellerの商品以外をショップで売るのも可能なので、売りたい商品だけでは品数が少なくネットショップとして見劣りするような場合などに、無在庫で商品点数を増やすことができます。
もしもドロップシッピングより自由度が高い分、利用者には相応の費用負担が求められます。
このTopSellerが2016年に利用料金を見直し、取り扱い商品数を大幅に増やしたところ、(株)もしもの決算は黒字になっていったようです。
ECzineより
アフィリエイト事業も残されていることから、もしもドロップシッピングが赤字の原因だったのかもしれません。
本来ショップオーナーが被る負担をすべて引き受けるようなサービス内容だったのですから、あり得るのではないかと思います。
副業としてはどうなのか
もしもアフィリエイトとTopseller、この2つのサービスをリスク負担という点から見てみようと思います。
もしもアフィリエイト
利用者側
- 仕入れ不要
- 在庫もなし
事業者側
- 梱包・配送にかかる費用や人件費は不要
TopSeller
利用者側
- サーバーやドメインにかかる費用、仕入れ代金、月額利用料などが最低限必要
- 大手ショッピングモールの集客力を利用できる
- 販売商品の選択肢に制限がない
事業者側
- ショップオーナーの費用を負担する必要がない
- 梱包・配送の費用や人件費は必要
サービスの提供者と利用者の間で、極端に負担が偏ることにはなっていないようですね。
まとめ
副業をするならリスクは低いに越したことはないですが、副業そのものがなくなってしまっては意味がありませんね。
副業で長く安定して稼ぐためには、誰が得をして誰が損をしているのかに注目してみることも、大事なのではないでしょうか。
損得のバランスが極端に傾いているなら、上手くいっている副業でも注意深く様子をうかがうべきなのかもしれません。
最後まで読んでくださってありがとうございます。
ハシヒロコでした。